パワハラで精神疾患を発症し休職していた後、休職期間満了がきたとします。
パワハラが横行する職場では働けないと思い、そのことを会社に告げれば退職となります。
退職後は会社から離職票が送られてきます。
休職後に退職した場合、離職票の離職理由は2Dとなっている場合がほとんどだろうと思います。2Dは、給付制限はありません(すぐに失業保険はもらえます)が、契約満了後に労働者側(自分)が契約更新の意思がなかった自己都合での退職理由になります。
パワハラにより退職した場合は、ただの自己都合ではない為、異議申し立てができます。
今回は、そんなパワハラで退職した時、離職票コードが2Dだった場合の対処法を紹介します。
パワハラで退職後、離職票が2Dだった場合の対処法
離職票が届くまでの時間は会社によりけりです。1か月くらいかかるところもあります。
離職票には1と2があります。離職票2の右側に退職理由として数字とアルファベットの組み合わせが書かれてありレ点チェックが入っています。
まずはじめに離職票について順を追って紹介していきます。
離職票ー1とは
離職票1で、あらかじめ記入するところは一番下の振込口座だけになります。
マイナンバーの個人番号はハローワークでの受付時に職員の前で記入します。
ハローワークに行く際に持参するものは、マイナンバーカード(※マイナンバーカードを持っていない場合は通知カードと身分証明書)と、口座を証明する通帳かキャッシュカードになります。
離職票1に関しては失業保険を受ける段取りのような感じです。
特に注意する箇所はありません。
離職票-2とは
パワハラで休職後、退職した場合離職票ー2の退職理由が大事になってきます。
離職票2の左側には勤務期間と給与などが掲載されています。
勤務期間が長い方は2枚つづりになっていますが、2枚目は特に気にする必要はありません。
離職票2の一枚目の右側を見てください。
退職理由が2Dの場合
退職理由のコードがありレ点が入っていると思います。
休職後退職した場合、大体2Dとなっています。
2Dという退職理由はどういう意味でしょうか??
2Dは病気やケガで休職期間が終了した場合、派遣や契約社員など契約期間がある労働者が期間満了した場合、自己都合で更新しなかったという意味になります。
もしパワハラで精神疾患を発症した場合、たとえ休職期間満了後自分の意思で退職したとしても自己都合に該当するのでしょうか??
しかもパワハラで労災申請している場合、労災認定までには半年以上かかります。
まだ労災認定されていない場合でも自分の気持ちとしては単なる自己都合ではなく会社のパワハラが原因です。会社都合の範囲になるような退職理由を希望して構いません。
2Dの場合は給付制限はなくすぐに失業保険がもらえますが、自己都合扱いとなり給付日数や国民健康保険の優遇制度などが不利になります。
※上記の7に基本手当の給付日数という項目がありますから、参考にしてください。2Dの場合は定年・契約期間満了や自己都合退職の方に該当します。
退職理由に納得いかない場合は、ハローワークで異議申し立てができます。
退職理由2Dの時の異議申し立て
異議申し立ては、離職票1と2を持ってハローワークで失業保険の手続きに行った時にできます。
ハローワークに行き、求職申込の手続きをして、次に失業保険の手続きにいきます。
求職申込の手続きはハローワーク内の端末でも出来ますが、ハローワークに行く前に事前にハローワークインターネットサービスでもできます。
求職申し込み後、失業保険の手続き窓口に案内されます。そこで職員さんに退職理由について異議申し立てがあることを告げます。
すると異議申立書をもらえます。
そこにパワハラの内容を記載し会社に原因があることを書き込みます。
このあと異議申し立て書の内容(労働者の主張)に間違いがないかを会社に問い合わせます。パワハラによる退職の場合3Aもしくは3Cに該当する可能性があります。
最初の説明会までに審査結果が出ない場合もありますが、2Dの場合、給付制限がない為、異議申し立てをしても審査結果を待たずにすぐに失業保険がもらえます。
失業保険をもらっている間に審査結果に応じて給付日数が伸びるか、やはり2Dのままかどちらかになります。
退職理由2Dのとき異議申し立てをするメリット
そもそも2Dという退職理由に納得がいかないから異議申し立てをするのですが、理由はそれだけではありません。
2Dという自己都合から、会社都合もしくは正当な理由のある自己都合に変わることで2つのメリットがあります。
まず退職理由により給付日数が伸びる可能性があります。
もう一つ、地方自治体により国保税の減免対象に影響があります。
たとえ3A(会社都合)に該当しない場合でも、2D(契約満了に伴う自己都合)から3C(正当な理由のある自己都合)になれば国保税の減免措置があります。
※ちなみに離職票の退職理由のアルファベットは、雇用保険受給者証では、A→1、B→2、C→3、D→4のように対応しています。
2Dのままですと国保税の減免措置対象からはずれる地方自治体もあります。
休職後の失業保険申請時には診断書が必要
休職時にも診断書をもらい会社に提出しただろうと思います。
その時は働けないという診断書です。
今度は逆の診断書が必要になってきます。
休職後に退職しハローワークで失業保険の手続きをする場合、働けるという診断書が必要になります。
異議申立書と一緒に傷病診断書という書式を受け取り、病院に書いてもらう必要があります。
診断書は病院によりけりですが2週間前後かかる場合がありますから、早めに病院に持っていった方がいいでしょう。
まとめ
今回は、離職票の退職理由が2Dだった場合の対処法を紹介しました。
退職理由により給付日数や国保税が変わってきますから、退職理由に不服がある時は異議申し立てができます。
異議申立書と傷病診断書は離職票を持って最初にハローワークに行ったときに定まった書式をもらえます。
実感としては、傷病診断書に関しては慣れているようですが退職理由の異議申し立てに関してはハローワークの職員でもあまり慣れていない方が多いようでした。戸惑う職員さんが係長みたいな人に相談している様子もありました。
2Dだから給付制限がない(すぐに失業保険がもらえる)からとそのままでいいと思う方もいるでしょうが、2Dはあくまで自己都合ですから給付日数や国保税の減免に不利益になることがあります。
異議申し立てをすることでデメリットはありませんが、もし変更されればメリットはあります。
是非、参考にしてみてください。