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パワハラ防止法の問題点⁉被害者より加害者擁護⁉該当しない例が酷い

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パワハラ防止法ひどい 仕事・労災知恵袋

パワハラ防止法を知っていますか。

いよいよ大企業では2020年6月1日から義務化されます。

ただ、だからといって本当に21世紀の現在でも根性論が横行する日本型企業が変わるのか甚だ疑問です。

 

今回は、そんなパワハラ防止法への期待と不安を紹介したいと思います。

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パワハラ防止法とは?

まずはパワハラ防止法とはどのような法律であるか見ていきましょう。

厚生労働省の指針があります。

職場におけるハラスメント関係指針

上記の指針を順番に見ていきましょう。

1の【はじめに】は、特にこれといって問題ない内容だと思います。

職場におけるパワーハラスメントの内容

まず問題が起こりそうな箇所は、2の【職場におけるパワーハラスメントの内容】の(1)にあります。

⑴ 職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいう。
なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。

下部にある但し書きのような一文が非常に問題になってくると思います。

なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。

この部分がパワハラ被害者と加害者の争点になることは間違いありません。

なぜ、こんな但し書きをしたのか意味が分かりません。

ほぼ全てのパワハラが指導や教育という名のもとでの人格攻撃やイジメや嫌がらせであるのに、適正な指示や指導は該当しないとなると、一体、何が適正かがパワハラ認定の争点になるのは目に見えています。

加害者側を守る文言であり、パワハラ被害者の立場からしたらふざけた但し書きです。

⑵ 「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。
⑶ 「労働者」とは、いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者の全てをいう。

(2)と(3)も問題ない箇所です。

⑷ 「優越的な関係を背景とした」言動とは、当該事業主の業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が当該言動の行為者とされる者(以下「行為者」という。)に対して抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるものを指し、例えば、以下のもの等が含まれる。
・ 職務上の地位が上位の者による言動
・ 同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
・ 同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの

この(4)の3項目の下部2項目が同僚又は部下となっているところもおかしいですよね。

職務上の地位が上位の者による言動が1項目で、なぜ同僚又は部下に関する項目が2項目と多いのか意味がわかりません。

⑸ 「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは、社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指し、例えば、以下のもの等が含まれる。
・ 業務上明らかに必要性のない言動
・ 業務の目的を大きく逸脱した言動
・ 業務を遂行するための手段として不適当な言動
・ 当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、行為者との関係性等)を総合的に考慮することが適当である。また、その際には、個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要である。

(5)の当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がないという箇所も加害者側にとって都合がいい内容だろうと思います。

現実のパワハラは、明らかに業務上必要性がないにも関わらず、必要性があるように装って嫌がらせやイジメや人格攻撃を行っているケースがほとんどです。

「必要性がある」と加害者側の言い訳に使われる可能性が高い文言であり、パワハラ被害者にとってはマイナスしかありません。

⑹ 「労働者の就業環境が害される」とは、当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指す。
この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当である。

(6)の平均的な労働者の感じ方の部分もよくわかりません。

平均的な感じ方とは、一体、誰が決めるのでしょうか。

いまだ根性論ばかりの日本企業の風土においては、社畜という言葉もあるようにパワハラを受けて当たり前が平均的な労働者の感じ方かもしれないのに。

パワハラ防止法の存在そのものを否定しかねない文言だろうと思います。

⑺ 職場におけるパワーハラスメントは、⑴の①から③までの要素を全て満たすものをいい(客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。)個別の事案についてその該当性を判断するに当たっては、⑸で総合的に考慮することとした事項のほか、当該言動により労働者が受ける身体的又は精神的な苦痛の程度等を総合的に考慮して判断することが必要である。
このため、個別の事案の判断に際しては、相談窓口の担当者等がこうした事項に十分留意し、相談を行った労働者(以下「相談者」という。)の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮しながら、相談者及び行為者の双方から丁寧に事実確認等を行うことも重要である。
これらのことを十分踏まえて、予防から再発防止に至る一連の措置を適切に講じることが必要である。
職場におけるパワーハラスメントの状況は多様であるが、代表的な言動の類型としては、以下のイからヘまでのものがあり、当該言動の類型ごとに、典型的に職場におけるパワーハラスメントに該当し、又は該当しないと考えられる例としては、次のようなものがある。
ただし、個別の事案の状況等によって判断が異なる場合もあり得ること、また、次の例は限定列挙ではないことに十分留意し、4(2)ロにあるとおり広く相談に対応するなど、適切な対応を行うようにすることが必要である。
なお、職場におけるパワーハラスメントに該当すると考えられる以下の例については、行為者と当該言動を受ける労働者の関係性を個別に記載していないが、⑷にあるとおり、優越的な関係を背景として行われたものであることが前提である。

この(7)も本当にパワハラを防止したいのか疑いたくなるような要領を得ないものになっています。

以下、指針にあるパワハラ例をイノロハニホヘまで全て順番に見ていきましょう。

該当しないと考えられる例がパワハラ加害者側の言い訳として悪用されそうなものばかりになっています。

イ 身体的な攻撃(暴行・傷害)
(イ)該当すると考えられる例
① 殴打、足蹴りを行うこと。
② 相手に物を投げつけること。
(ロ)該当しないと考えられる例
① 誤ってぶつかること。

該当しない例で、誤ってぶつかることとあります。

加害者側の言い訳として「いや、わざとじゃなかった。誤ってぶつかっただけ」って感じで使われそうです。

ロ 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
(イ)該当すると考えられる例
① 人格を否定するような言動を行うこと。相手の 性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を行うことを含む。
② 業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行うこと。
③ 他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行うこと。
④ 相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信すること。
(ロ)該当しないと考えられる例
① 遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をすること。
② その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意をすること。

加害者の言い訳として「問題があると思ったから強く注意しただけ」と言われそうです。

ハ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(イ)該当すると考えられる例
① 自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりすること。
② 一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること。
(ロ)該当しないと考えられる例
① 新規に採用した労働者を育成するために短期間集中的に別室で研修等の教育を実施すること。
② 懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、その前に、一時的に別室で必要な研修を受けさせること。

該当しない例を要約すると、理由があればパワハラは許されると言っているようなものです。

こんな指針をだして、どうやってパワハラを認定できるのか…。

ニ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
(イ)該当すると考えられる例
① 長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずること。
② 新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責すること。
③ 労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせること。
(ロ)該当しないと考えられる例
① 労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せること。
② 業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せること。

これこそパワハラ加害者側の言い訳になる最たるものです。

そもそもパワハラというのは、教育や指導の名のもとに行われる人格攻撃やイジメや嫌がらせです。

パワハラを正当化させる悪い例であるとしか言いようがありません。

ホ 過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(イ)該当すると考えられる例
① 管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせること。
② 気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えないこと。
(ロ)該当しないと考えられる例
① 労働者の能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減すること。

上司であるパワハラ加害者が「能力に応じて業務量を減らした」と言ったら終わりです。

ヘ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
(イ)該当すると考えられる例
① 労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること。
② 労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること。
(ロ)該当しないと考えられる例
① 労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等についてヒアリングを行うこと。
② 労働者の了解を得て、当該労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促すこと。
この点、プライバシー保護の観点から、ヘ(イ)②のように機微な個人情報を暴露することのないよう、労働者に周知・啓発する等の措置を講じることが必要である。

労働者への配慮を目的としてって、どういう意味かわかりません。

パワハラ加害者は、必ず、こう言うことでしょう。

「いや、労働者への配慮を目的として家族のことを聞いただけ」と。

しかし、よく考えてみてください。

そもそもパワハラを受けた被害者本人が、家族のことを聞かれて嫌だったからパワハラを訴えたわけです。

配慮という言い訳は通じないはずです。

この文言自体おかしいのです。


これより以下、厚労省の指針では事業主のパワハラへの取り組み方が書かれていますが割愛します。

内部通報制度導入企業は増える⁉が…意味なし⁉

パワハラ防止法も義務化されますし、ほとんどの企業は委託会社を使った内部通報制度を取り入れるだろうと予測できます。

しかし、現状、内部通報制度はただのポーズにしかすぎません。

 

 

内部通報してパワハラの事実を訴え改善されればいいですよね?

しかし、ほとんどの場合、まったく改善されることはありません。

こう考えてみたらわかりやすいと思います。

もともと加害者であるパワハラ上司を、そのポストに抜擢(ばってき)し、アナタの上司という地位を与えているのは会社そのものなのです。

つまり、会社とパワハラ上司ズブズブの関係です。

ただ内部通報すれば改善はされませんが配置転換くらいはやってくれるかもしれません。

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まとめ

パワハラ防止法の問題点⁉被害者より加害者擁護⁉パワハラに該当しない例が酷すぎる件を紹介しました。

パワハラ防止法の指針は、被害者よりも、むしろ加害者の言い訳に使われそうな文言が多いように感じます。

それでも、とにかく2020年6月1日から義務化されるわけです。

厚生労働省、特に労働基準監督署には、パワハラ防止法という法律の周知徹底の為にかなり厳しめにパワハラ認定してもらうしかありません。

 

 

 

 

はたしてパワハラ防止法が根性論がまかりとおる日本型企業を適正なカタチに導いてくれるのか、期待不安でいっぱいな今日この頃です。

 

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