投資をしている人で、ある程度の勉強をしている人なら、誰でも知っている投資の天才がいます。
彼の名は、ウォーレン・バフェットです。
ウォーレン・バフェットが、「どの株を売り、どの株を買ったか」は、世界ニュースにもなります。
先日(2020年8月末)、ウォーレン・バフェットが日本の商社系の株式を購入したことがニュースになりました。
このニュースが出るまでは、日本株は、バフェット自身もとうの昔に手放しているという噂がありましたし、その他の外国人投資家にとっても、少子高齢化により低迷していく日本経済には未来がないかのような印象でした。
しかし、ウォーレン・バフェットが日本株を買ったことで、日本経済の価値を保証したかのような印象さえあります。
ウォーレン・バフェットは、このように、投資の世界で相当な影響力を持っています。
このように投資で成功したウォーレン・バフェットですから、多くの方は、バフェットの次なる投資先を知りたいと思うことでしょう。
実は、ウォーレン・バフェットが一番嫌う投資法が、この手の他人の尻馬に乗る輩です。
今回は、そのことがよくわかる本『ウォーレン・バフェット 賢者の教え』を紹介します。
投資をやっている人にはもちろん、投資をやっていない人にも、価値ある一冊だろうと思います。
ウォーレン・バフェット賢者の教えガイド
ウォーレン・バフェットに関する本は多数出ていますが、今回、紹介したい本は、『ウォーレン・バフェット 賢者の教え』になります。
副題として、『世界一投資家 思考の習慣』とあります。
この本は、ウォーレン・バフェットの投資術そのものを学ぶ本ではありません。
ウォーレン・バフェットの基本的な投資に対する考え方、人生観などを知ることで、自ずと投資家としても成功するだろうという主旨になっています。
もっというと、失敗しても、基本さえ押さえておけばいつか成功するだろうといった真意があります。
実際、ウォーレン・バフェット自身も、若い時から、多くの失敗を重ねています。
そして、その数多の失敗により、現在の富があります。
バフェットの本に限らず、多くの方は、失敗を恐れて誰かの投資術的なイカサマくさい本を読みます。
ウォーレン・バフェット流にいえば、どんなに優れた投資家であっても、誰かの真似をした時点で、投資家としては空振りでワンストライクです。
スリーストライクでアウトですから、あと2回ストライクをとられればアウトで投資家としてはバッターボックスからベンチに退場になります。
この例えで、誰かの真似が、どれほど重い罪になるかがわかると思います。
ウォーレン・バフェットの教えとして一番大事なことは、投資は、自分の頭で考えて、自分の判断で行うことが大前提です。
それでは、この本のなかで、投資をするうえで、大事な心構えだと思ったところをいくつか紹介していきたいと思います。
なぜウォーレン・バフェットはIT株を持たないのか
ウォーレン・バフェットは、このようなネット社会になった現在でも、テクノロジーやIT関連の株式を購入していないことで有名です。
※唯一の例外で、個人的なビル・ゲイツとの付き合いから、マイクロソフト社を100株もっているだけです。
ウォーレン・バフェットがテクノロジー株を買わない理由はいたってシンプルです。
よく知らないからです。
ウォーレン・バフェットの投資法の一つにあるのは、自分が他人よりもよく知っていることに投資をするというスタイルです。
いくらITバブルがあっても、これから伸びると世間で言われていても、自分が知らないことには手を出しません。
ですから、IT株はもちろん、仮想通貨なども理解できないものには手を出さないという理由で見向きもしません。
たとえIT株が上がろうと、ビットコインがあがろうと、ウォーレン・バフェットにとっては、自分が知らないものには手を出さないというルールがあります。
自分の投資ルールを持ち、それを守ることで、ウォーレン・バフェットは成功しました。
もちろん、若いころ、いくつもの失敗をして、そのたびに試行錯誤した結果として、自分の頭で導き出した投資ルールです。
このウォーレン・バフェットの教訓は、誰にでも有用なものだろうと思います。
自分自身が、よくわからないこと、よく知らないものには、投資をしない。
という大前提です。
この「よく」の部分が、見過ごしがちですし、大事な部分です。
よく知っていないとダメなんです。
ちょっと知っているくらいでは、自分のお金を投資する対象にはなりません。
よく知っていることです。
そして、ある株式を買うときは、50%以上の株を購入する大株主になるつもりで、買う前に「どのような理由で買うか?」を書きだします。
書きだす理由が多ければ多いほど、良い株式です。
たいした理由もないなら、その株は買わない方がいいでしょう。
たった100株購入するだけで、本当に経営権を持つわけではありませんが、何かの株を買うときは、常に大株主になるつもりで、「この企業は大丈夫か?」「本当にこの株価以上の価値はあるのか?」ということを徹底的に考える癖をつけておくといいと思います。
ウォーレン・バフェットが競馬をやめた理由
ウォーレン・バフェットは、若いころ、データを調べ上げ、競馬でも勝っていましたが、ある日、負けてしまいました。
この失敗からの教訓は、二つあります。
まずは、感情をコントロールできないものには手を出さないこと、もう一つは、損したものと同じもので損を取り返す必要がないことです。
競馬は、感情コントロールが難しくなることで、投資ルールを守れなくなる事が多々あります。
日本人が多くやっているパチンコなどのギャンブルも同じですが、これだけの金額でやめておこうと思っても、いつのまにか熱くなり財布の中身を丸ごと捨ててくる場合があります。
要は、パチンコ店に入ると、感情のコントロールがきかなくなり、投資ルールを守れなくなるわけですから、近寄らないようにしたということです。
次に、競馬で負けた損失を競馬で取り返さなくても他のもので取り返せばいいという事です。
パチンコで負けた人が陥る負のスパイラルによくあるのが、負けたから取り返しにまたパチンコに行くパターンです。
ウォーレン・バフェット流にいえば、パチンコで負けた理由は、パチンコの感情コントロールを乱されやすいシステムにあります。
あらかじめ定めた投資ルールを守れない要因がパチンコそのもののシステムにあるのなら、二度とパチンコ店に近寄らないようにすることが賢明です。
そして、パチンコで負けたお金は、パチンコ以外のもの(株やFX)で取り返してもいいわけです。
そうした方が賢明なのです。
株で負けたなら、FXで取り返せばいいのです。
FXで負けたなら、株で取り返せばいいことです。
株もFXも負けたなら、金(ゴールド)の値上がりで取り返せばいいのです。
投資ルールを守ることが第一です。人は、どんな状況でも、投資ルールを守れる強い精神力があるわけでもありません。
自分の投資ルールが守れる環境でだけ勝負をすることです。
経営が傾いている企業には投資をしない理由
ウォーレン・バフェットの言葉に、こういう言葉があります。
「有能な騎手も、名馬に乗れば勝てるが、骨折した駄馬に乗っては勝てない」
どんなに有能な経営者であっても、倒れかかった企業や、何の価値もない企業を復活させ成功させることは、ほぼ不可能です。
この有能な騎手と骨折した駄馬の例えは、ウォーレン・バフェット自身が繊維メーカーを買収し、経営再建に取り組み、失敗し、途中で諦めたことで得た教訓になります。
たとえば、スティーブ・ジョブズ(名騎手)もアップル(名馬)だから成功できたわけです。
最近では、クラウドファンディングというものがあります。
新規の事業を立ち上げる為には応援も必要かもしれません。
しかし、これまでやっていた事業が傾いているという理由での応援は、バフェットの論理でいえば、ほぼ無意味に終わる可能性が高くなります。
今までやっていてダメだったものが、どうしてこれからうまくいくのでしょうか?
長年、堅調な業績をあげている企業だけが、投資の最低条件になります。
一般の投資家は、株価が低い割安株を購入して、その後の値上がりを待つスタイルをとると思います。
ウォーレン・バフェットは違います。
ウォーレン・バフェットがパソコンで取引しない理由と株式を長期保有する理由は同じ!?
現在、多くの個人投資家は、自宅のパソコンやスマホから株の売買をしたり、チャートを見たりしているかと思いますが、ウォーレン・バフェットは、パソコンを使っていません。
理由としては、5分ごとの値動きなど気にしても仕方ないとのことです。
ウォーレン・バフェットに影響を受けたGoogleのラリー・ペイジが、こんなことを言っています。
「短期的な目的に気を散らすのは、ダイエット中の人が30分ごとに体重計に乗るのと同じくらい的外れなことだ」
実際に価値のある企業の株式だけを、長期保有するのです。
例えるなら、骨董屋で、よく割安な偽物をつかまされた話を聞きますが、もともと高い本物を買うことが大事なのです。
その本物がちょっとでも安く買えれば御の字なのです。
割安な偽物を買えば無価値です。
本物なら少々高くても値崩れすることはありませんし、いつか必ず値上がりすることでしょう。
まとめ
今回は、『ウォーレン・バフェット 賢者の教え』を紹介しました。
本を読みながら、自分で考えたことを付け足したものもあります。
老後2000万円問題もありましたし、これから不透明な時代ですから、投資での成功は人生の必須事項になるだろうと思います。
もっと詳しくウォーレン・バフェットという投資の成功者の思考を知りたい方は、是非、読んでみてください。
ただ、バフェット流にいえば、本は参考です。
何より大事なことは、自分なりの投資ルールを決めて、そのルールを守ることです。
その為には、失敗を恐れず、むしろ失敗を重ねることが大切だろうと思います。
投資で損失をだしても、立ち上がれる資金だけは残して、どんどん失敗していきましょう。
失敗してもいいんです。
立ち上がるごとに、自分なりの投資ルールが固まっていけば、いずれ優れた投資の成功者になるだろうと思います。